【リワーク】こころのカタチ

こんにちは。
 
今週のリワークプログラムは、コラージュ療法で作品をつくることで自己表現すること、体験学習ではグループで作品をつくる楽しさや難しさを体験することなど表現することがいろいろありました。薬物療法も大切なのですが、何かを体験する、他者と何かを共有することを通して、こころのケアや成長を促していくことも大切なことです。リワークの中でいろいろな体験を試していただきたいです。
 
さて、今週は「エゴグラム」という心理検査を行いました。
“自分の特徴を知ること” “他者との関係性をみること”をテーマに、それぞれのこころのカタチについて話し合いました。グループワークを通して、他者のこころのカタチをみることができるので気づきがより深まります。十人十色、ひとそれぞれということが一目でわかります。また、他者との関係性について「やりとり分析」(交流分析)の視点をもつことについても考えてみました。
 
百聞は一見にしかずというように、映画から学べることもたくさんあります。
今回は「スクール・オブ・ロック」という作品を、エゴグラムの視点をもってみてみることにしましょう。
SOR
ロックバンドをクビになった主人公が、ふとしたきっかけで名門小学校の先生に(なりすまし)。生徒たちに授業としてロックを教えはじめる♪自由奔放な主人公に影響されながら、最初は困惑していた生徒たちも次第にありのままの自分を認めてくれる主人公に心を開いていきます。そして、一緒にバンドバトルにでることを目指して猛練習をしていくというような作品です。よくあるお話しといえばそうなのですが、それ以上のアツい何かを感じます(個人的には)。ロックの授業ってサイコーですよね。
 
そこで「エゴグラム」を例に出してみましょう。
CP(批判的な父親のような心)・NP(養育的な母親のような心)・A(客観的な大人な心)・FC(自由奔放な子ども心)・AC(従順な子ども心)といった5つの要素を組み合わせて“こころのカタチ”をみていきます。また、そこから他者との交流について考えていく心理検査がエゴグラムになります。
 
劇中では、FCの高い自由奔放な主人公の影響を受けて、他の登場人物に変化が生じてきます。ACの高い親に従順な生徒、CPが低く自己主張できない生徒、Aが高く頭で考えてばかりの生徒、いろいろなタイプの生徒たちが、主人公のFCの高さに影響され、巻き込まれながら、自分を解放していきます。CPバリバリな校長先生にも主人公の影響が、、、、、。
 
変えたくても変えられない自分が変わる瞬間。
 
この作品では、自由奔放な主人公の言動がそのきっかけになっています。
こころの奥底に隠れていた「自分を変えたい」というモチベーションを刺激していくのです(偶然にも?)。主人公が自分らしく振舞うことで、【自由奔放】というボールを投げることで、それを受け取った側の【こころのカタチ】が変わっていく。自分らしさをみつけていく、取り戻していくプロセスがわかりやすく表現されています。
 
もちろん音楽のチカラも大切な要素だと思います。ロック音楽の中にある爆発的な、欲求不満を吹き飛ばすようなエネルギーの影響もあるのだと思います。音楽とひとの心の関係も深そうです。
 
そんな主人公によって導かれた生徒たちがどうなっていくのか!?
 
続きは本編で!
 
ハリウッド映画は登場人物の性格や行動を極端に描いてくれるので、みていて理解しやすいです(だから、多くの人が楽しめるエンターテイメントなんだなと思います)。ちょっと別の視点を加えてみることで、心理学的な視点(今回はエゴグラム)を加えてみることで、違った気づきが得られるかもしれません。
 
週末は、映画をみながら「こころのカタチ」について考えてみてはいかがでしょうか。
 
また来週です。

 

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当院では、休職・退職された方を対象にリワークプログラムを行っています。
メンバーで支えあいながら、「主体性」「楽しむ力」を養うこと、取り戻すことをテーマに活動しています。参加をご希望の方は、診察の際に主治医にご相談ください。