心理士推薦図書 part8

錯覚の科学

著:クリストファー・チャブリス ダニエル・シモンズ

今回おすすめさせていただく本は、「錯覚の科学」という心理学ノンフィクションです。なんだかちょっと難しそうなタイトルですが、訳文は読みやすく、とても面白いので、普段ノンフィクションは読まないという人にもおすすめです。

 

この本は、『錯覚』という誰もが体験する不思議な知覚をテーマにしています。

皆さんもだまし絵やトリックアートなどをどこかで一度は見たことはあるのではないでしょうか。あれは目の錯覚というものを利用した代表例ですが、他にも注意力や記憶力、自信、原因など様々な種類の錯覚が実はあるのです。

著者の2人は心理学者で、「見えないゴリラ(The Invisible Gorilla)」という心理実験を行い、大きな注目を浴びました。

見えないゴリラ?ずいぶん変わった名前の実験ですよね。実際、実験内容もとてもユニークです。

「見えないゴリラ」とは、人が何かに熱中しているとゴリラの着ぐるみが目の前にいても簡単に見逃してしまうことを示した心理実験です。

バスケットボールの試合の動画を見てパスの回数を数える課題を与えられると、多くの人は試合中コートにゴリラの着ぐるみを着た人が乱入してきてもまったく気付けないというのです。

「そんな馬鹿な」「私なら見逃すはずはない」って思いますよね。そう思った人ほど、この注意の錯覚に陥る可能性があります。

この実験は、人の注意力というものがいかに不完全なものかを示しています。人の知覚というものは、本来マルチタスクには向いていないものらしいのです。

ちなみにこの「見えないゴリラ」は、2004年にイグノーベル賞(ユーモアのある研究に与えられる賞)を受賞しています。

 

他にも、錯覚によって起きた実際の事件や実験が多数紹介されており、どれも自分の持っていた常識が覆るような、それでいて知的好奇心をそそる内容になっています。

この本を読むと、人がいかに自分の都合の良いようにものごとを捉えているのか、いかに自分の脳があてにならないかを思い知らされるのですが、だからこそ人間って面白いなと感じていただける一冊なのではないかと思います。

 

臨床心理士 服部 正嗣

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新年のご挨拶 2018年

新年あけましておめでとうございます。

皆様にとってより良き一年になりますよう祈念いたします。

今年の年末年始は寒い日もあったものの、穏やかな天気に恵まれました。皆様、お正月はどのようにお過ごしになりましたか(^^)?

スタッフもお正月休みを頂いたので、旅行に行ったり、帰省をしたりといろんなお話を聞くことができました!楽しいお話を聞くだけでも、顔が笑顔になれるのはとても良いです。

最後に今年の目標は・・・

『心のこもったサービス』ができるよう、スタッフ一同努力していきたいと考えております。本年もどうぞよろしくお願い致します。

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