心理士推薦図書 Part4

第4回  お勧めの一冊

【パンダフルワールド】

写真:佐渡多真子/文:みきーる出版社:アスペクト

この本は、パンダの写真とそのパンダが発しているような一言、二言が添えられていて、すぐに読めてしまいます。
わたしがこの本をお勧めする理由もすぐにパラパラと読めてしまうところにあります。
健康や自己啓発のためになる本はたくさんありますが、元気のない時は、字ばかりの本を読み進めるのは苦痛を伴う場合もあります。人は気持ちが塞ぐ時や不安な時、何もしないでいるといろいろな想念で頭がいっぱいになって、考えなくていいことまで考えてしまうことがあります。考えても考えても結論や解決法が出ないことはあり、考えれば考えるほどエネルギーは消耗し活動が抑制されて、さらに落ち込みや不安が高まるというような悪循環になりがちです。答えのない考え事に時間やエネルギーを費やすよりは、たわいない、ちょっとくだらないことに触れてでも、考えることから離れられる時間ができたらいいなと思います。

この本の紹介を少ししますと、まず、パンダのゆったりとしたほんわかでマイペースな雰囲気に癒されます。それから、添えられている言葉に、時々ドキッとしたり、ホッとしたり、ニヤッとしたりすることもあります。突っ込みを入れるのも一つの感じ方かもしれません。その人の、その時、その状態によって、感じ方や受け取り方は様々だと思います。今のあなたはどう感じられるでしょうか。
一度この本を開いてみてください。 臨床心理士 鎌田江里子