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慢性頭痛(頭痛外来)
慢性頭痛は、原因となる病気がないのに頭痛を繰り返すもので、潜在的には4000万人以上の方が罹患しているとも言われています。
慢性頭痛には、大別するとズキンズキンと痛む片頭痛、頭全体が締めつけられるように痛む緊張型頭痛、片目の奥や側頭部に激痛を感じる群発頭痛があり、さらに鎮痛剤の使い過ぎによる薬物乱用性頭痛などがみられます。
これらは、単独でみられることもありますが、しばしば合併していることがあり、複合的な「ストレス」が誘因になっていることも想定されています。
したがって、その診断と治療は一体となってなされることが理想的であり、当院では、症状・病型にあった薬物療法のみならず、背景にある精神的・心理的・社会的ストレを明らかにし、それに対する適切な対処法を提案しています。

■薬物療法について
慢性頭痛の薬物療法としては、急性期治療薬(痛い時に服用する薬)と予防薬(頻回の発作を予防する薬)があります。
急性期治療薬は痛くなりはじめに使用すると効果的ですが、乱用することで逆に「薬物乱用頭痛」を引き起こしてしまうため注意が必要です。
多くの方が悩んでいる片頭痛に対する急性期治療薬の主剤はトリプタン製剤です。複数の種類があり、効き方も人によって違いますので、粘り強く自分に合う薬を探すことも重要です。
トリプタン製剤の効果がないか、効きが悪くなった場合は、今年から使用可能となったラスミジタンも使用可能です。
これらの選択肢が増えたことにより、片頭痛のかなりの部分はコントロールできるようになってきています。
一方、頻繁に片頭痛が起きる場合、あるいは痛み自体が強くて生活に支障をきたしているような場合には、回数を減らす事や痛みの程度を弱めるための予防薬を検討した方が良いでしょう。
現在、エビデンスレベルの高い予防薬としては、バルプロ酸やトピラマートなどの抗てんかん薬、プロプラノロール(β遮断薬)、アミトリプチンなどの抗うつ薬、ロメリジン(カルシウム拮抗薬)などがあります。
これらを単剤で不十分な場合は併用することで予防を図ります。また呉茱萸湯、葛根湯、釣藤散などの漢方薬を併用することもあります。
ただ、残念ながらそれでも十分に片頭痛が予防できない場合があります。いずれも即効性はあまりありませんので、原則、毎日服用します。
一方、最近登場したCGRP関連抗体薬(片頭痛発作の発症抑制薬)は、月1回の注射薬です。
CGRP(カルシトニン遺伝子関連ペプチド)は主に三叉神経節で発現する神経ペプチドで、片頭痛患者では血中CGRP濃度が上昇していると言われています。
抑制薬に含まれる抗CGRP抗体は、このCGRPの活性を阻害することで、片頭痛発作の発症を抑制する効果が期待されています。
当院でもCGRP関連抗体薬の注射(保険適応)が可能となっていますので、ご相談ください。
■慢性頭痛の非薬物療法について
頭痛は種々の誘因により増悪することが分かっています。
精神的なストレス、緊張、慢性疲労の他に、女性の場合は月経周期に関連したホルモンバランスの変動によることも多くみられます。
また、最近多くみられるケースは、気温や気圧の変化による環境因によるものです。
患者さんの中には、ご自身の頭痛の原因・誘因がよくわかっていない方も多くみられます。
これらに対する「気づき」を得て、「ストレス」との対処法を習得することを臨床心理士と粘り強く行っていく認知行動療法は薬に頼らない慢性頭痛の有用な治療法で、当院では積極的に導入しています。
■その他 取り扱っている疾患
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