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線維筋痛症

線維筋痛症とは、全身的慢性疼痛疾患であり、全身に激しい痛みが起こる病気です。

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この病気は自律神経失調症や更年期障害、うつ病、不定愁訴症候群などと間違われやすく、明確な診断や有効な治療が行われないまま、患者さんは医療機関を転々としてしまうことが多いのです。
繊維筋痛症は50歳代の女性に多いのですが、若年から高齢者、男性にも見られます。現在、人口の1.66%、全国で約200万人いると推定されています。
原因についてはまだ解明されていませんが、事故や手術などの肉体的・精神的ストレスが引き金となって発症することが多いようです。

線維筋痛症の主症状は「全身の広範囲な慢性的な痛み」と「特定の部位の圧痛」で、ほぼ全例にみられます。
随伴症状には様々なものがあり、身体症状には疲労、こわばり、乾燥症状など、神経症状には頭痛・頭重感、しびれなど、精神症状には睡眠障害、不安感、抑うつなどがあります。
特に、疲労感を有する患者さんが多く、その疲労は休養による回復が難しいとされています。

繊維筋痛症の痛みの特徴として、痛覚過敏やアロディニアが顕著にみられます。最初の痛みが引き金となって別の痛みが次々と生じ、解剖学的な神経支配領域と全く関係なく、徐々に広範囲に広がっていきます。
痛みは長時間にわたって持続し次第に激しくなるため、患者さんのQuality Of Lifeは著しく低下します。
また、日によって痛みの箇所が移動したり、痛みの強さが変化することがあります。

線維筋痛症の判断基準として、米国リウマチ学会繊維筋痛症分類基準(1990)による、18ヵ所の圧痛点が主に用いられています。
広範囲にわたる痛みが3ヶ月以上持続し、さらに、触診により18ヵ所の圧痛点のうち11ヵ所以上に痛みを認めた場合に、線維筋痛症と診断されます。この分類基準(1990)は国際的に広く用いられ、日本人での有用度も優れていることが確認されています。
線維筋痛症は、全身性・慢性の痛み、疲労・こわばり、精神症状など、多彩な症状を呈する為、種々の疾患との鑑別が重要です。
特に関節リウマチやうつ病は疑診されることが多い疾患です。また高頻度に合併することも知られているので、鑑別に注意が必要です。

線維筋痛症治療の目的は、痛みを軽減し、身体的・精神的QOLやADL(日常生活動作)を改善することです。

繊維筋痛症の治療には、薬物療法と非薬物療法があります。薬物療法には、慢性的な痛みの治療薬、抗うつ薬、抗てんかん薬が主に用いられます。

まずは一つの薬剤を投与して、それで鎮痛効果不十分な場合には、鎮痛機序の異なる他の薬剤を追加します。
はじめから複数の薬剤を使用すること、上限量を使用せず無効と判断すること、無効な薬剤を長時間使用することは好ましくありません。
非薬物療法には、運動療法、心理療法、温熱療法などがあり、薬物療法に併用して行います。
運動療法としてウォーキング、体操、エアロビクスなどの有酸素運動、心理療法として、痛みに対する認知のゆがみを改善する認知行動療法などが行われ、その他に、痛みのある部分をあたためて痛みを軽減する温熱療法も行われています。

経験的には、西洋医薬単独よりも漢方薬を併用し、運動療法や心理療法などの代替療法を導入し、患者さんと二人三脚でこの症状と向き合うことが一番重要なことと考えています。


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